1. 事例A:少台数設備(3台)
削減ポイント
- 待機の自動停止/エコ運転の徹底
- クーラント/エアのインバータ化(必要流量に合わせる)
- 夜間電力の活用と段取り最適化
数字の見立て(例)
| 項目 | 前 | 後 | 差 |
|---|---|---|---|
| 待機電力 | 2.5 kW | 1.5 kW | ▲40% |
| 加工時平均 | 10.0 kW | 9.0 kW | ▲10% |
| 電気代(月) | 22.0万円 | 18.0万円 | ▲4.0万円 |
条件により変動します。正確な算定は実測のうえ実施。
効果の読み方
電気代
▲18%
CO₂
約1.2 t-CO₂/年
回収
〜2年目安
「待機」と「補機」を抑えるだけでも、月数万円規模の効果が狙えます。先に“運用で取れる分”を回収し、その後の設備更新に備えるのがスムーズです。
2. 事例B:多台数ライン
削減ポイント
- 主軸の高効率化/回生機能の活用
- 補機の統合制御(集中管理・自動停止)
- デマンド監視でピーク平準化
数字の見立て(例)
| 項目 | 前 | 後 | 差 |
|---|---|---|---|
| ライン平均kW | 120 | 102 | ▲15% |
| 電気代(年) | 4,000万円 | 3,400万円 | ▲600万円 |
| CO₂(年) | — | 約7.5 t削減 | — |
同時使用率の最適化で、ピーク電力の“山”を削るのがポイントです。
効果の読み方
電気代
▲15%
CO₂
約7.5 t-CO₂/年
回収
1〜3年目安
ライン全体の視点で、ピークの同時発生を避ける設計が効きます。補機・主軸・搬送などを一体で制御すると更に安定します。
3. 実行の流れ(最短ステップ)
- 現状把握:分電盤/機上メータ/IoT電力計で実測(最低1週間)。
- 仮説づくり:待機・補機・同時率の“山”を特定。
- すぐ効く対策:待機自動停止、インバータ化、夜間活用。
- 定着化:ルール化・標準手順・点検表。
- 更新計画:高効率機への置換や制御改修を段階的に。
4. 必要書類の例
- 設備仕様書(カタログ抜粋:所要動力源/主軸/送り)
- 電力実測のスクリーンショット(日時・負荷プロファイル)
- 運用手順(待機制御・段取り・夜間運転)
- 見積書(改修/更新の費用対効果)
5. トラブル回避のコツ
ありがちな落とし穴
- kVAだけ見て平均kWを過小/過大評価する
- 30分定格を常用前提で見てしまう
- 補機のONしっぱなし
対処のポイント
- 力率×稼働率で現実的に読む
- 連続定格を基準に評価する
- インバータ化・自動停止でまず“運用改善”から
6. よくある質問
Q. 自社は少台数ですが効果ありますか?
待機/補機の見直しだけでも効果が出ます。まずは1週間の実測から。
Q. 補助金は使えますか?
時期により制度が異なります。要件に合致するものを選び、書類準備を進めます。
Q. まず何から?
待機の自動停止と補機インバータ化、同時率の最適化が“最短ルート”です。